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イミテーション・ゲーム(1回目)@新宿武蔵野館

個人的にはとてもよくて。あと何回か見に行こうと思ったので、まず初回の感想を残しておこうと思いました。ネタバレになるのでたたみます。

imitationgame.gaga.ne.jp

 

「シャーロック(BBCテレビドラマ)」がきっかけでカンバーバッチさんを知り、「裏切りのサーカス」を見てマーク・ストロングさんを知り・・・おふたりとも出演されているというのもあり、わくわくしながら見に行きました。

平日昼にもかかわらず満席!途中でトイレ行きたくなったらどうしようと思いつつもビールとポップコーンという映画鑑賞の定番は外せません。(新宿武蔵野館ではビール+お菓子で600円という良心的な価格で最高です)前から3列目、両隣おじいさま。全体的にも年齢層が高いように思えました。そのおかげで、とてもリラックスしながら見ることができたなあと。映画の内容だけでなく、見る環境も大事だよなーって思っています。なので一人で見る場合はだいたい平日かレイトショーです。

 

感想。

前評判で、すごく切ない・悲しい的な感想を多く目にしていたので覚悟していたのですが、チューニング氏に愛をこめた作品だと感じてそこまで悲しみに暮れることはありませんでした。史実を忠実に語るものではなく、彼の人となりを愛情こめて描いたのだなあと。

最初のシーンではあえて彼の傲慢さ・不器用さだけ見せて、「多くの人の目にはこのようにうつったのだ」と思わせます。映画をみてる人も「こんなやつがいたら嫌だなあ」と思っただろうな。でも、彼には「愛」があった。学生時代のころに受け取った愛、送ろうとした愛が。(それを見せるために過去のシーンへうつります。)ただ、送ろうとした愛が切なくも果たされなかったことで、どうやって人と関われば良いのかわからないまま解読「チーム」の一員となる。そこでもまた学生時代のように閉ざしてしまいそうになるのを、ジョーンが救う。そのジョーンを救ったのはチューニングの愛(試験に遅刻したジョーンを許したり、仕事をしやすい環境を作ったり)だったことに、最後の2人のシーンで気付いて号泣しました・・・。

人とうまくやれないけど、1人はさみしい、暴力はきらいだ、ジョークを理解できないしうまく笑えないし、軽やかに異性との駆け引きを楽しむことはできないけれど、それでも与えられた「愛」はずっと大切に信条として持ち続けるチューリングの人格を変だとは思えません。むしろなんとなくうまくやろうとして信条を捻じ曲げたり隠したりする自分の生き方をむなしく感じるようでした。

時代や、環境や、風潮が異なるにせよ、必ず根底に流れる「マジョリティー」が、自分自身の性格や生き方を迷わせる、抑圧する。器用とは何か、不器用とは何か。正当とは何か。

それがわかれば幸せになれるのか?それを実行すれば幸せになれるのか?

 

とにかく。チューニングという人物に対して、たくさんの「ものづくり」の人が集まって、愛情を込めて伝えたいと思って世に送り出されたこの作品は、とても素敵なものだと思いました。

チャレンジすること、それはどのように評価されるかに関わらず、誰かの心に残り、また誰かのチャレンジに繋がるのだと。ただ評価して良い悪いを述べるだけの傍観者ではもったいない。当事者になること、そのなかでもがき苦しんで、うまくいかなくってもいいんだってこと・・・自分の人生を慰めるような感想になってきたのでそろそろやめておこう(笑)

※あとで「ホーキング」を見たのですが、残された時間で何をしたらいいのか迷うホーキングに、温厚なデニス教授が熱くぶつけた言葉「君の貴重な時間を他人の批判に使うな。自分で考えたものに使うんだ」がすごくリンクしててグッときちゃいました。

(すみません、セリフ正確じゃないかもなのであとでまた確認します)

 

あとはシンプルに、カンバーバッチさんの演技がすみずみまで好きだなって思ったことと、ストロングさんの役どころがかっこよすぎて(嘘が得意とかいつまでたっても冷静なところとかジョークも言えちゃう余裕とか!!!!)映画見終わったあと急に酔いがまわって踊りだしそうでした。あぶない。