【2015/16V・プレミアリーグ<ファイナル6>】東レアローズvs堺ブレイザーズ@大田区総合体育館
忘れられないシーンをちゃんと残しておかなければ。
堺ブレイザーズ、出耒田選手のこと。
試合後、東レがヒーローインタビューを受けているさなか
出耒田選手がぼそりともらした言葉が
未だに耳から離れないでいる。
「やっぱ、くやしいよ」
2メートル強の大きな身長をがくっと折り、
ボールのカゴに顔を伏せてうなだれる。
「くやしい」
なんどもつぶやいていた。
目をこすっていたから、涙を流したのかもしれない。
出耒田選手のプレー自体は、悔しがる必要のないくらいよかった。
ブロックポイントは両チーム併せてもダントツの6。
アタック決定率も60%に近い。
それでも、チームが負けたことに心底悔しがっている。
得点も、データの数値もほとんど堺が上回る、堺の輝く試合だった。
けれど、東レが勝った。
東レの粘りは偶然じゃない、彼らの持ち味なのだ。
細い糸を何度も手繰り寄せる。自分の陣地でボールが落ちないように、そして相手の陣地でボールが落ちるように。
勝負はわからない。
そんな常套句を何度も思った。
1セット目を堺が取った時も、
2、3セット目と東レが奪い返した時も、
追い詰められたとは思えないほどイケイケな堺がかなりの点差で勝ってみせた4セット目も、
その勢いに飲まれず己のバレーをしっかりとやりきった東レを見届けた5セット目も。
勝負はわからないんだ、最後の最後まで。
おまけ。
ゴッツ選手の「翔、行け!」の叫びとともに、
セッターの佐川選手がスパイク打ち込んだのが胸熱でした。
というか佐川選手が決めるの初めて見たかもです。
試合後「よければどうぞ」と佐川選手からティッシュをもらいました。
さっきまで目の前で死闘を繰り広げていた選手が広報活動を...!むしろファンサービスのような。今までのスポーツ観戦では経験したことがなくて、新鮮な気持ちでした。