【インカレ2015】超個人的インカレベストイレブン
全24大学中12大学しか見ていないですが、その中でベストイレブンを選んでしまおうという自分だけ楽しい企画です。
<観戦試合>
12/8(水)1回戦
12/10(木)2回戦
12/13(土)準々決勝
12/19(土)決勝
■【2015】超個人的インカレベストイレブン
GK
初見。緊張感のあるゲームの中では特に研ぎ澄まされていて、冷静に大胆にゴールマウスを守る。接近戦に強く、慶応大戦、阪南大戦ともに彼なしでは語れないベストゲームの立役者。
DF
山田真己人(神戸U-18-国士舘大)4年
初見。チームを勢いづけた気迫の2点目、そして後半の怒涛の早稲田大からしっかりとボールを弾いていく守備は素晴らしかった。全体を通してチームの雰囲気を守り続けた。
石橋理志(前橋育英高-仙台大)3年
サイド攻撃を完全にシャットアウト。絶対間に合わないと思われる距離でもギアを入れて『間に合わせる』。身体の使い方がうまく、勢いある守備にも関わらずカードをもらわない。
金来遠 (名古屋U18-阪南大)2年
初見。スタミナ無尽蔵、とにかく走って走って切り込んでチャンスを作り続ける。CK、FKも任されマルチに動き回る。
誰もが心を奪われる高いジャンプ、どんな選手も恐れない気迫のこもったプレー。阪南大の前田との空中戦はいつ見てもシビれる。パワープレイで前線に張られたときは恐ろしかった笑。ラフさをうまく削いでいけるか。負けたあと、あんなに全力で泣かれたら好きになってしまうよなあと。
[MOM363]大阪体育大DF菊池流帆(1年)_「跳ね返すのが楽しい」進化続ける大器、慶大をシャットアウト | ゲキサカ[講談社]
MF
端山 豪 (東京Vユース-慶應義塾大)4年 ※アルビレックス新潟内定
一昨年の大学選抜の試合で好きになり、まさか山雅に1点くらわす選手になるとは思いもしなかった笑。
昨年のインカレでは残念ながら彼に頼るチームであったように思え、また彼自身も厳しいチェックに合いあまり得意なプレーをすることができなかったように思えたけれど、今年はすごかった。
誰よりも諦めずボールを追う、どんな状況でも素晴らしいパスを送る、行けると思えば自ら切り込んでいく。だからと行ってワンマンなわけではない。端山を信じ、端山が信じる、そういうチームだった。新潟でも彼を応援したくなったし、彼のいない慶応大がどんなチームになっていくのかがすごく気になった。渡辺選手がどのようなポジションになるのか期待。
中原優生(佐賀東高-鹿屋体育大)4年 ※鹿児島ユナイテッドFC内定
初見。鹿屋大は素晴らしいチームだった。クレバーな重戦車で、その操縦者が中原だったように思えた。ボールのコントロールが芸術的で、彼の配給から前線の選手たちが一気に全力で動き出す。一人ひとりの動きに合わせたパスはドンピシャで胸が踊った。
福冨孝也(宝塚北高-関西学院大)4年
見事だった。阪南大の心臓である松下をこれでもかというくらいしつこくマーク。また、前線で最後までボールを追うFWの動きから、サイドの駆け上がりを押さえるDFの動きまで、献身的に走り回った。点差が開いてもなお、松下を抑えるためにカードももらったが、やりきると決めてぶつかっていく姿勢は逆に相手におそろしさを植え付けたのではないかと思う。
昨年の個人的インカレMVPは、1年を経て別の顔を見せてくれた。もっと好きになった。これでサッカーを辞めてしまうのは残念だけれども、大学で続けてくれて、そして出会えてよかった。ありがとうございます!
チームの心臓はもちろん松下なのだけれど、重廣が踏ん張ることで血液を全体に送り込むことができたように思う。彼のわかりやすいほどのファイティングスピリッツが、何度でもチームに火をつける、チャンスが生まれる。彼が諦めない限り、大丈夫と思えた今年のインカレ。もちろん、誰かが頑張るだけでは成り立たないけれど、それでも誰かが始めなければ何も起こらないのだ。
FW
前田央樹(福岡U-18-阪南大)3年
この言い方は好きじゃないけれど、「ゴールの怪物」と出会ってしまった、と思った。このフィジカルで、するりと相手陣内に入り込む姿は明治大で来年から岡山内定の藤本を彷彿とさせた。10月末のリーグ戦で4点、そしてインカレで自分の目で見ただけでも4点。たったひとりのゴールをこんな短期間で8点も見ることがなかった。インカレで不在だった山口、脇坂が揃えば一体あとどれくらい量産していたのかと思う。
なにより、この背番号「13」が嬉しかった。卒業生で、現在はアルビレックス新潟シンガポール所属の河田と同じ背番号。目を奪われずにはいられなかった。昨年のインカレ、背番号15を背負い、交代で入り仕事ができず悔しい想いをしたストライカーが再度同じ相手に封じ込められてしまった。だからこそ、来年が彼にとって最高の1年になりますようにと願わずにはいられない。
樋口雄太 (鳥栖U-18-鹿屋体育大)1年
鹿屋大はおそろしかった。ボールを半端に繋ごうとすれば、前線がものすごいスピードで拾いにくる。主導権を握らせてはいけないのだと、開始10分の樋口のゴールで感じた。
松田、福森(健)、福森(勇)と、この攻撃を支えた選手たちが来年どんなふうに磨きを上げていくのかが楽しみで仕方ない。
■入りきらなかったけどムネアツな選手たち!
思えば1年生のころから、パンフを見て「めっちゃガンくれてる子いるなあ」と思って気になっていた。昨年はしっかりと正GKとして何度もファインセーブを見せてくれた。負けて立ち上がれない主将の成田に寄り添っていたのは彼だった。だから、今年、誰か彼に寄り添ってはくれまいかと思った。しかし、4年生たちは、それぞれ一人で涙を流した。それが悪いわけではない、ただ少しさみしかった。
リーグ戦も見に行ったが、改めて身体能力の素晴らしさに惚れ惚れとした。フィジカルで不利なぶん、早い判断力と、高いジャンプ力とバネで魅せてくれた。勇気のいるプレーがたくさんあっただろう。
大西が見せてくれたもの、残してくれたものは、自分としてはとても大きい。心からありがとうと思う。
DF 金澤拓真(横浜FMユース-早稲田大)4年
初めて大学のリーグ戦を見に行ったのは早稲田大で、ピッチに響きわたる高音に「おっ?」と思ったのを覚えている。最終ラインで叫ぶ金澤の声がもう聞けないと思うとさみしい。
空中戦に敵なし、ロングボールの精度も申し分なし。決勝のFKの精度には痺れた。
MF 高見啓太(神戸U-18-国士舘大)4年 ※ヴァンラーレ八戸内定(2016.01.04)
ドリブルそしてクロス、とにかくサイドでチャンスを作り続け、相手にプレッシャーを与え続けていた。点差が開いても緩めず切り込んでいくので、後半巻き返したかった早稲田大は苦しい試合展開になってしまった。さらには彼自身のゴールもあり、勢いが止まることはなかった。
ユース時代のレポを見つけたのでメモ。
MF 堀田 稜(浦和ユース-早稲田大)4年
初見。早稲田大の気持ちが折れそうに見えた後半に、輝いたのは彼だった。文字通り、身体を投げ出してボールを奪いに行く。そこから繋ぎ、生まれた後半32分の田中のゴールに心は躍った。諦める時間は誰にだってある、でも、ピッチの誰かが、ベンチの誰かが、1人でも諦めない時間があれば、繋いでゆける。そのための仲間なんだと思わせてくれた。
MF 松下佳貴(松山工高-阪南大)4年 ※ヴィッセル神戸内定
写真に迷った。プレー中のハードワーク、試合後の笑顔、決勝に泣く姿、さんざん迷って、仲間のゴールに喜んでいるものにした。
卒業生である可児(川崎F)のプレーにグッときて阪南大の試合を見に行くようになった。その背番号14を次に背負ったのが松下で、彼のプレーで再度阪南大を見るようになった。彼なりのチームの支え方、中盤で何度も何度も諦めず立て直す。泥臭い寄せ、美しいパス、全てのプレーに血が通っていた。チームの心臓。
ありがとう、本当におつかれさまでした。プロの道でもっともっと愛される選手になるはず。
MF 蓮沼翔太(柏U-18-仙台大)4年 ※福島ユナイテッドFC内定(2016.01.13)
MF 河合秀人(京都橘高-大阪学院大)4年 ※ガイナーレ鳥取内定(2016.01.09)
■ベストゲーム
とにかくタフな試合でした。90分があんなに長く感じたことはないです。良いプレーの連続で、息つく間もなく最後まで両キャプテン同士が身体を投げ出して攻め、守る、素晴らしい内容でした。だからこそ、余計悔しかっただろう慶応大。泥臭く走り回り、最後まで仲間に的確なパスを送り続けた端山選手は、ずっとうつむいていました。
■ベストマッチアップ
大好きな、背番号14同士のマッチアップ。かっこよすぎて、そしてもう見られないのかと思うと涙が出た。
今年はインカレだけではなく、リーグ戦をたくさん見るぞと意気込んでいたのですが、行ったのは東北学生リーグ1回と関西学生リーグ1回のみでした……関東全然行けなかったです。
それでも、たくさんの発見があり、楽しさがあり、切なさがあり。インカレに出られず涙を飲んだ選手たちもたくさんいます。だからこそ、行きたい!と思ったら迷わず見に行こうと。来年は東海リーグも見に行くんだ!
色んなものを色んな方向から見ることは、決めつけがなくなってよいなあと思います。
最後に。
勝ち負けが、人を不幸にするものではないと願います。こんなにもファイトを見せてくれて、感動をくれて。むしろこの経験で、もっともっと幸せになってほしいと強く思ったインカレでした。
【結果】